「シャーリー」を買いました。そしてカフェ漫画5選

カテゴリ:漫画

森 薫「シャーリー」を買いました。

1巻から11年ぶりに2巻が発売されたということで、書店に店員自作らしき全紙サイズのポスターが貼ってありました。熱い推しです。

以前から絵は気にはなっていたので帯の文句を読んでみると、登場人物がカフェを経営しているとあります。

私は休みの日のお昼をカフェでとるのが好きで、中でもクルマかバイクでちょっと走って行くような場所のカフェを選んで、Googleマップにマークしています。

漫画も、カフェものをよく買います。とりあえず1巻を購入。

翌日、2巻を購入(笑)

期待と違ってカフェの場面はあまり出てきませんでしたが、聡明で背筋の通った妙齢(?)の女主人、ベネット・クランリーと、物語の主人公で、ベネットの屋敷にメイドとして雇われるシャーリー・メディスンの友情と信頼関係、シャーリーがベネットに注ぐ憧憬のまなざしなどが丁寧に描かれていて、たいへん気に入りました。

この作品は定期連載ではないそうなので、続刊はだいぶ先になりそうですね。

読み終えて書棚を眺めると、カフェが舞台になっている漫画の蔵書がだいぶ増えています。

そこで、行きつけのお店を紹介する風で、いくつかの作品をピックアップしてみました。

まずはお題の、森 薫作「シャーリー」から、カフェ モナ・リザ

Shirley%2B01.JPG

場所は1900年初頭のイギリス。店主はシャーリーの雇い主である、ベネット・クランリーです。

イギリスらしく、お茶とケーキが名物で、けっこう流行っているようです。常連客の年齢層が高めなのが、ベネットにとって経営上の不安のようです。

Shirley%2B02.JPG
慣れたようすでテキパキと仕事をこなすベネットと、その姿に目を奪われるシャーリー。仕事の出来る女性はカッコいいですね

お話は、ベネットの出したメイドの求人広告を見たシャーリーが、ベネットの屋敷にやってくるところから始まります。

ベネットのうっかりで求人に年齢制限を書いてなかったことから、13歳のシャーリーがやってきてしまいました。

しかし、料理も掃除もそつなくこなすシャーリーを気に入ったベネットは、シャーリーを雇うことにしました。

ときに給料の支払いを忘れたり、一晩中ダンスで筋肉痛になったりしながら、二人は28歳と13歳の友情を深めていきます。

芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」から、カフェ アルファ

yokohama%2B02.JPG

場所は、未来の神奈川県三浦市初声町あたりのようです。店主は、初瀬野アルファ。人々は彼女のことを「アルファさん」と呼びます。

人口が少ないこともあって、繁盛はしてないようです。というか、お客さんはほとんど来ません(笑)

yokohama%2B03.JPG
模型飛行機のエンジンにもの思うアルファさん

実は彼女は「ロボットの人」で、ようするに人造人間なのですが、「ロボットの人」とは、たとえば「南の人」とか「田舎の人」とかの文脈に近い言葉らしく、人の一種というとらえ方がなされているようです。

yokohama%2B01.JPG

海を見下ろすように岬の先端に建つカフェ アルファですが、この世界は海面上昇のために人類が滅亡しかかっている世界で、カフェ アルファも、もとは山の中腹あたりに位置していたと思われます。

このお店の名物と言えば、コーヒーや、メイポロという樹木から採れる飲み物がメニューにありますが、名物はたぶんアルファさん本人でしょう。

アルファさんは乳製品や魚が苦手で、黒糖がお好きなようです。

作品のほうは、ほのぼのとした日常が描かれ、SF的な話はほとんど出てこないものの、ゆえに去りゆくものと新しいものの哀愁が行間に滲み、名作SFとなっています。

小山愛子「ちろり」から、カモメ亭

chirori%2B03.JPG
近代的な煉瓦作りのビルの間に建つ、ちいさな「カモメ亭」

先の「ヨコハマ買い出し紀行」にも登場する横浜が舞台ですが、こちらは時代がぐんとさかのぼって、明治初期です。

場所は、横濱海岸通り21番地-Bで、店主の名前は出てきませんが、彼女はマダムと呼ばれています。

chirori%2B01.JPG

先のカフェ アルファと同じく、基本的にヒマなようです。

そうはいってもお祭りの日などは、目が回るほど忙しくなるようですが。

名物は、豆を手挽きしてネルドリップで入れるカヒーと、手作りのビスキット。つまりコーヒーとビスケットですね。

chirori%2B02.JPG

お話のほうは、カモメ亭の主マダムと女給ちろりの日常だけでなく、カモメ亭を訪れる人々のドラマなども描かれます。

作者は着物に深い愛着があるようで、ちろり初登場の初回などは、彼女の身支度のシーンだけに8ページも費やしています。

「ちろり」といえば、屋台などでお酒を燗するときに使われる金属製の器を思い浮かべますが、この物語では、「ちょっぴり」とか「ちいさい」という意味で使われています。

まだ幼い面影の残るちろりと妙齢のマダムという組み合わせ、踊るシーンや、ちろりがマダムによせる憧憬など、人物の関係にシャーリーとの共通点が見られるので、そんな(どんな?)状況設定が好きな方にも、おすすめです。

西 風「GT roman」から、カフェ・バー ロマン

場所は、登場する車のナンバーから、静岡県沼津市あたりのようです。実在と思われる街や峠のワインディングなどが登場するので、周辺の地理に詳しい方なら、場所の雰囲気がつかめるかもしれません。

店主は沢木。姓だけで名前は出てきません。常連客からはマスターと呼ばれています。

roman%2B01.JPG

彼の愛車はKPGC10型のスカイラインGT-R、いわゆるハコスカです。

店も、敷地に数台収容できる屋根つき駐車場を設置するなど、車好きが集まれる作りにしているようです。

当然クルマにも詳しく、常連客の車両購入に同行したり、アドバイスをしたりなどの場面も見られます。

roman%2B03.JPG

空が大きく開けていて、周囲に建物やビルなど見えないことから、お店はどうやら峠の上り口付近にあるようですね。

名物は、マスターの作るスペシャルパスタ。

roman%2B02.JPG
そのスジでは有名な、アルフェスタの漫画家Iかわ氏とイラストレーターY山氏と思しき2人

作中には、どこかで見たことあるようなお顔がちらほら登場します。作者の友人関係が反映されているようです。

タイトルに店の名前がはいっていますが、お店が登場しない回、主要人物が登場しない回が多数あります。

古いクルマが多数登場するマニアックな作品ですが、機械的な話はほとんどなく、基本的に1話完結で、オーナーのクルマへの偏愛ぶりが楽しい作品です。

最後に、鶴田謙二「Spirit of Wonder」のチャイナさんシリーズから、中華料理レストランの天回です。

chainasan%2B01.JPG

店主は、チャイナさん。

はい、カフェではありません。

でも海辺のカフェスタイルのお店なので、取り上げてみました。

だってチャイナさんいるし。

いいじゃないですか。

ねぇ?

場所は、未来のイギリスのどこかみたいです。街の雰囲気は古い感じなんですが、技術が超未来的なので、たぶん未来なのでしょう。

高い丘の上に建っていて、副業として下宿も経営しているようです。

chainasan%2B02.JPG

副業というか、チャイナさんの作る料理もお茶も美味しくて評判らしいんですが、チャイナさん、ちょっと乱暴なところがありまして、そのせいか経営はあまり望ましい状態ではないようです。

そこで副業の下宿が収入の要のようなのですが、なんせ下宿しているのは、お金にならない怪しげな発明ばかりしているマッドサイエンティスト風のブレッケンリッジ博士と助手のジム。家賃滞納の常習犯です。

しかも取り立てのたびにチャイナさんが発明品や家具を破壊するので、お店は大丈夫だろうかと心配になってしまいます。

本書は鶴田謙二の短編集で、他の作品にもそれぞれに異なったマッドサイエンティストが登場して、お話を引っ張りまわします。

ちなみに露出は多め。

以上、私のお気に入りのお店でした。

アイコン