一般向け「MATRIX RELOADED」の解説

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「MATRIX RELOADED(マトリックス リローデッド)」を見た人の中で、内容が半分以上理解できなかったという人。正直に手を上げてください。いや、恥ずかしがる必要はありません。解らないのは、あなたが私のようなオタク崩れとは違って、普通の人だからです。

今作のマトリックスは、「怒涛の突っ走りわかんない人はおいてっちゃうぞ」映画です。「チョイス(選択)」とか、「すでに選択している。それを理解すること」だとか、「ソース」とか「例外」だとか、意味がわからなかったと思います。そこで、一般向けマトリックスの見かた解説。

サブタイトルの「reloaded」について

「load」はコンピューターの命令の一つで、記録メディアに保存されたプログラムをメモリ内に移すことです。「装填(そうてん)」と訳すと理解しやすいでしょうか。ちなみに装填したプログラムを走らせる命令は「RUN(ラン)」です。よって「reload」は、再装填ということになります。それが過去形なので、「再装填された、すでに再装填されている状態」という意味になります。

そして「load」には、「負わせる」とか、「圧迫する」という意味もあります。さらに「loaded」には、「罠にかけるような」とか、「イカサマにかけられる」とか「捻じ曲げられた」という意味もあります。英語には「double meaning(ダブルミーニング)」というのがあって、一つの文章の中に二つの意味を入れることが良くあります。日本語の掛け言葉に似ていますが、ちょっとちがいます。

「選択(チョイス)」について

映画の後半から「選択」に関することが語られますが、その言葉の後(うしろ)に「すでに選択しているはず」とか「選択を理解すること」などの台詞が続きます。これもコンピュータープログラムの「条件分岐」がわかってないと理解できない台詞です。

例えば、貴方が映画を見に行こうとしていると仮定します。目的地は映画館ですが、そこまでの道のりは、電車、バス、徒歩、自家用車など、複数あります。
しかし選択すべき道は、移動距離、もしくは移動時間やコストが一番低くなる一本だけです。目的は移動することではなく、映画を見ることなのですから。

そこであなたは、時刻表なり道路地図なりを出して、最適なルートを探し出します。ルートを探すときは、「ここで電車を乗り換えて」とか、「やっぱりこのまま乗っていってここから歩く」とか、取捨選択をしますよね。これが「選択(チョイス)」です。

普通「選択」というと、「好きなほうを選べること」と考えますが、このような場合、何を選択するかはすでに決まっていると言えます。なぜなら、一番効率のいいルートに合致する選択は一つしかないからです。

つまりこれが、「すでに選択している。あとは選択を理解するだけ」という台詞の意味です。あなたの目的は最適なルートで映画館に行くことですから、途中の選択肢はすでに決定されているわけです。それを告げることが「予言」です。

「君の最初の質問は、もっとも適切かもしれないが、もっとも的外れかもしれない」という台詞も、この「条件分岐」で説明できます。つまり、一番効率のいいルートにつながる選択は、「もっとも適切な質問」ということになりますが、非効率的なルートを選択した場合は「もっとも的外れな質問」ということになります。

「ソース」について

「ソース」は「源(みなもと)」という意味で、コンピューターでは、人間がコンピューターに特定の動作をさせるために書いた文書のことです。この文書を「コンパイラ」というプログラムにかけて、コンピューターが理解できる形に翻訳したものが、「プログラム」です。つまり、ソースを書き換えてリコンパイルすれば、プログラムの計算結果や動作を変更することが可能ということです。

ネオは天才的なプログラマでハッカー(クラッカー?)ですから、マトリックスのソースを書き換えてリコンパイルする能力をもっており、マトリックスを好きなように設定しなおすことが可能です。すなわち救世主というわけです。

「例外」について

ネオは「アーキテクチャ」から、「おまえは例外であるがコントロールできる」と言われました。普通例外というと、「想定や予想とは違う結果」と考えますが、コンピュータでは、「例外」は想定され、コントロールされます。Windowsで、たまに青画面になって「例外xxxxxxが発生しました」と出ることがありますが、これは「計算結果が想定した範囲から外れた」ということを表しています。計算結果は想定外ですが、想定外の結果になったときはスクリーンを青くしてメッセージを出すようにプログラムされているので、このような画面が出るのです。つまりコンピューターでは、例外もコントロールされるわけです。

上の「選択」の項でも書きましたが、目的が決定している場合、選択はすでに決まっています。しかし、適切でない道もあるわけで、そこに入ってしまった場合も想定しておかなければ、身動きが取れなくなってしまいます。プログラムでは、それをエラー処理、例外処理などとして、もとの道に復帰させる命令も書いていおきます。つまり、ネオがどのようなルートを選ぼうが、結局はアーキテクチャの元に現れるようになっていたわけです。違っているのは、ネオがどの道を通ってきたかという、すなわち経験です。

ざっと説明しましたが、とりあえず以上のことを踏まえてもう一度映画を見ると、より理解が深まると思います。そしておぼろげながら、次回作「Revolutions」のタイトルの意味するところも想像できると思います。

最後に。1作目を見て「カッコイイ!オシャレ!」と思ったあなた。だまされています。マトリックスはオタク映画です。理解しようとして真剣に見ると、不思議空間に引きずりこまれちゃいますよ。ほら、あなたの後ろに不思議獣が。♪フシーギシギシギ.....

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