老人と宇宙(Old Man's War)

カテゴリ:小説

ジョン・スコルジー著 内田昌之訳、早川書房刊

「SF」というジャンルは、文学の中でも「もしこうだったら、どうなのか」という「if」の面白さが、最も発揮されるジャンルだと思います。

説明するまでもないでしょうが、かのロバート・A・ハインラインの名作「宇宙の戦士」は、両親に対する反発と、憧れの彼女にお近づきになりたいという、モラトリアム期の若者に良くある動機から宇宙軍に志願入隊した主人公が、訓練と実戦で鍛えられ、軍人としてはもちろん、人間としても育っていく物語です。

一方この「老人と宇宙」では、主人公は75歳の老人。つまり、戦争と若者を扱った定番である「宇宙の戦士」に対して、「もし入隊するのが、十分に成長した人間だったらどうだろう」という、「if」の物語。ちなみに志願動機は「若返り」。

映像化の可能性も踏まえてあるのか、アクションシーンに多くのページを割いてますが、ハイパードライブや軌道エレベータについての興味深い解釈も登場して、ハード面でも面白く読めます。

この作者は、この作品のあと、外伝的な作品も何作か書いているようですが、まだ日本語版は出てないようです。もう何作か読んでみたい。

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